2012年12月18日火曜日

芸術表象論特講#18

こんにちは。街のイルミネーションがきれいな時期になってきました。

12月12日におこなわれました、「芸術表象論特講」18回目のレクチャーについて、少しご報告したいと思います。

今回のゲストは、アーティストの良知暁氏でした。





「投票」と「質問」とエトセトラというタイトルで、いろいろお話してくださいました。

もともと、大学までは美術に興味を持っていなかったという良知氏。美術を学ぶため、イギリスに留学しました。留学先の学校にある展示スペースで、作品の鑑賞用に配布されていた3Dメガネ(フレームが紙で、レンズが青と赤のあれです)を持って、ギルバート&ジョージの作品を見に行った体験談をお話ししてくださいました。

自身の作品について、ビルの上にある広告板と、選挙のポスターを貼る看板を撮影していたことについてお話してくださいました。そのほか、震災時の記憶を忘れてしまうのではないか。という疑念から、ラジオから聞こえていた「30キロ圏内」という距離を歩くことで得られた身体の疲労という生理的な現象を、記録メディアにできないかと考えようとしたそうです。

また、トークイベントやシンポジウムでの質問を、手を挙げることで、誰もがパフォーマンスの時間を与えられるメディアとして考えてみたり、ご自身でも、そうした場所で質問をするのだとおっしゃっていました。「質問をするためのメモ」を取るようになった良知氏。スライドでいくつかノートのメモを見せていただきました。トークイベントやシンポジウムに行ったとき、メモを取ったりしますが、案外あとで見ないことが多いのではないでしょうか。目的を持って取ると、聞く姿勢も違ってくるのかなと、思いました。みなさんも、試されてはいかがでしょうか。


▲メモについて説明する良知氏


良知氏の活動についてのお話は、当たり前のようなことに対して疑問を持ち、違う視点を提示していただいたような気がしました。

それでは。

芸術表象論特講#17

こんにちは。最近の朝、畑の一面に霜がおりているのを発見しました。

12月5日におこなわれました、「芸術表象論特講」17回目のレクチャーについて、少しご報告したいと思います。

今回のゲストは、編集者の橋本愛樹氏でした。


橋本氏は、「ブリュッケ」という出版社をひとりで経営しています。
ブリュッケの出版物といえば、芸術表象専攻の北澤憲昭先生の著作(『眼の神殿―「美術」受容史ノート[定本]』や『境界の美術史―「美術」形成史ノート[新装版]』ほか)、本学で教鞭をとられている藤原えりみ先生や、足立元先生の著作があります(シンシア・フリーランド(藤原えりみ訳)『でも、これがアートなの?芸術理論入門』、足立元『前衛の遺伝子―アナキズムから戦後美術へ』)。

レクチャーでは、編集業を中心にお話してくださいました。

橋本氏は、ブリュッケを立ち上げて17年ほど、編集者生活は40数年になるといいます。
仕事としては、DTP(Desktop publishing)の状態で、ほとんどの仕事を橋本氏がおこなっているそうです。カバーの装丁もご自身でデザインされているとか。

本は、著者がいなくてもつくることができます。その例として、橋本氏が過去に驚いたという、小学館が出版した『日本国憲法』についてお話してくださいました。日本人が自国の憲法を知らなすぎるということから出版されたそうで、ミリオンセラー近くまで行ったそうです。なかは、文字を大きくし、バックに富士の写真をあしらうなどグラフィックな作りをしているそうです。

「本を作るということは、どう料理するのかと同じこと」という橋本氏。

学生たちに対して、電子書籍が出始めているのもあり、ひとりで出版社をするという進路の選択もありなのではないか、この世界にどんどん入って来て欲しいとおっしゃっていました。

編集業につきたい学生たちは特に、今後を決めるのに良い刺激になったのではないかと思います。


それでは。





2012年12月4日火曜日

芸術表象論特講#16

こんにちは。今年もあと1ヶ月となりました。

11月28日におこなわれました、「芸術表象論特講」16回目のレクチャーについて、少しご報告したいと思います。

今回のゲストは、日本画家の山本直彰氏でした。




山本氏は、愛知県立芸術大学の出身です。レクチャーでは、学生時代から山本氏に多大な影響を与えた、日本画家の片岡球子先生についてお話してくださいました。片岡先生は本学の名誉教授でもあります。

最初に歴史資料室よりお借りした、女子美100周年記念に作成された「先輩からのメッセージ」というVTRから、片岡先生のパートを(先生の話しているところを中心に)見ました。

片岡球子先生は1905年、北海道(札幌市)出身。1926年、女子美術学校つまり現在の女子美術大学を卒業しました。卒業後は画家として歩み始めますが、生計を立てるために横浜で小学校の先生をしながら制作活動をしていました。日本美術院展に10回連続で落選した後、1930年に初入選を果たします。当時、公募展に入選すれば作家として認められるものでしたので、10回連続で落選していた片岡先生には、みんな近づかないようにしていたといいます。
1967年、サンパウロ・ビエンナーレに出品。1975年、《面構》(前年の院展に出品)が日本芸術院恩賜賞を受賞。1989年には、文化勲章を受章しています。2008年、103歳で亡くなりました。


片岡先生と言えば、富士の作品や、歴史上の人物を主題とした面構(つらがまえ)シリーズが有名です。晩年は、裸婦シリーズを制作していたそうです。

片岡先生は、約40年間に渡り愛知県立芸術大学の先生として多くの学生を育て、その中に山本氏もいました。100歳になっても、タクシーで通っていたというのですから、驚きです。


「女子美の学生に片岡先生のことを知ってもらいたい」という山本氏は、片岡先生のエピソードをいろいろ語ってくださいました。



▲片岡先生の作品について語る山本氏


片岡先生から、「絵描きとは何かを身をもって知らされた」という山本氏。「絵を描くことは生半可なことではない」という言葉は、鋭く学生たちを射貫き、目覚めさせてくれたのではないでしょうか。

それでは。






2012年11月28日水曜日

芸術表象論特講#15


こんにちは。厚手のコートや上着だけでは、寒さをしのげない日々です。

1121日におこなわれました「芸術表象論特講」15回目のレクチャーについて、少しご報告したいと思います。

今回のゲストは、イギリス在住の韓国人アーティストのユ・ウンジュ氏でした。





ウンジュ氏は、茨城県守谷市にある「ARCUS ProjectResidency for Artists Experiments for Locals Moriya, Ibaraki)」(以下、アーカスプロジェクト)の今年度のレジデンスプログラム招聘作家です。

アーカスプロジェクトは、茨城県が主催となり1994年から国際的に活動しているアーティストが滞在して制作する「アーティスト・イン・レジデンス」と、地域の人々が主体となっておこなう「ワークショッププログラム」の活動をおこなっています。
「アーティスト・イン・レジデンス」では、90日間の滞在制作とそのリサーチをサポートし、地元の人とも交流を重ねるそうです。今回、ウンジュ氏と共にアーカスプロジェクトのコーディネーターである石井瑞穂氏も来校されました。


▲石井氏と通訳の池田氏(ウンジュ氏は英語のため)


レクチャーでは、アーカスプロジェクトでの制作について、作品のプロセスを細かく話してくださいました。守谷市に在住している主婦のみなさんにワークショップとして参加してもらい、そこから出てきたものをウンジュ氏が映像作品にしてインスタレーションとして展示をおこなったそうです。

他に、過去の作品についても紹介してくださいました。

主にアニメーションの手法を用いた映像作品を作っていました。映像作品は、ウンジュ氏の個人的なものからではなく、ワークショップをおこない、そこから抽出されてきた参加者の個人的な部分(ストーリー)を使用しているようです。

もともと、韓国では彫刻を専攻されていたそうですが、典型的なアートではないものを学びたいという理由から、イギリスへ留学されました。そこでは、自分が考えたプロジェクトをずっとやっていくというプログラムで、理論面を学んだりするのではなく、自分がやりたいことをすることができたそうです。ここでの経験から、今ではプロジェクトの提案書がすんなり書けるようになったとのことです。

積極的に学生からの質問を受けており、学生たちも少しは将来について考えるきっかけになってくれたらいいなと思います。

授業後に話したりない学生が、ウンジュ氏に質問をしに行くなどしていました。

余談ではありますが、ウンジュ氏と石井氏は、女子美の学食で昼食をとられたり、女子美アートミュージアム(JAM)で開催されている展示を見学したりもしました。

ウンジュ氏は、近々イギリスへ帰国されるそうです。今後の作品も楽しみです。

アーカスプロジェクトの詳しい情報は、以下のホームページで確認してみてください。少し遠いですが、とても魅力的な場所です。


ARCUS ProjectResidency for Artists Experiments for Locals Moriya, Ibaraki



それでは。

2012年11月18日日曜日

芸術表象論特講#14

こんにちは、寒さがより強まってきました。

11月14日におこなわれました、「芸術表象特講」14回目のレクチャーについて、少しご報告したいと思います。

今回のゲストは、アーティストの山本高之氏でした。



山本氏の作品は主に、子どもたちとのワークショップをおこない、その成果をビデオ作品としています。

今年制作された作品から、これまでの作品も何点か見せてくださいました。

■ブラックホール
女の子と男の子が、その専門の大学教授からブラックホールとは何かという説明を受けている映像。女の子は、わからなくても相槌をしたりと気を使っているようにも見えます。


■どうぶつたちのいっしゅうかん(A WEEK OF THE ANIMALS)
動物園にいる動物たちは、労働しているだろうという発想から、子どもたちにそれぞれの動物の一週間を考えてもらい、ロシア民謡「一週間」にのせて、その動物の前で歌ってもらいます。

■どんなじごくへいくのかな(NEW HELL, WHAT KIND OF HELL WILL WE GO TO)
地獄絵図《本熊野歓心十界図》を見せて、それぞれが新しい地獄を考えるワークショップ。絵ではなく、立体的に作ります。

■きみのみらいをおしえます(TELLING YOUR FUTURE)
子どもたちに新しい占いを考えてもらい、実際にセットを作りお客さんを占います。

他にもいくつか見せていただきました。山本氏の作品は、下記のサイトから見ることができます。

実は、山本氏は小学校の教員を5年ほどしていた経験があります。

教員をしながら制作をしていたこともあり、そのとき出来た《まもるくん(PROTECTIVE SUIT MAMORU-KUN)》(登下校時に子どもを審者から守るための拘束具。まるでロボットのようないでたちですが、守られているのは上半身だけ)というのもありました。

子どもたちの姿に、学生たちは大笑いでした。

《きみのみらいをおしえます》は日本以外でもおこなっており、アメリカの子どもは踊り出したりと、国によっての違いが見られて、また面白みがありました。


▲学生の質問を受ける山本氏

子どもたちが考えていることは「鋭いものを危なく使った人が行く地獄」や「友達の消しゴムをふざけて折った」とか、結構具体的に提示するので、それが余計に面白く感じてしまいます。
しかし、彼らが映像のなかで繰り広げる些細な行動は、私たちにも経験があるはずなのに、まったく別のもので関係がない存在に思えてしまい、はっとすることがありました。


今後の山本氏の作品も楽しみです。

Takayuki Yamamoto
http://takayukiyamamoto.com
*こちらのサイトで、作品が見られます。


それでは。


2012年11月14日水曜日

芸術表象特講#13

こんにちは。学校の周辺にある公園の木々が、秋色に染まって、とてもきれいです。

11月7日におこなわれました、「芸術表象特講」13回目のレクチャーについて、少しご報告したいと思います。

今回のゲストは、アート・ジャーナリストのかないみき氏でした。



かない氏は、現在ドイツのベルリンを拠点にし、現地のアート情報を『美術手帖』などに掲載しています。
レクチャーでは、「ベルリンからのレポート アート・生活・社会」と題して、ドイツベルリンでの7つのアートプロジェクトとスペースついて紹介してくださいました。


①NGBK(Neue Gesellschaft für Billdende Kunst):
1969 年に設立した会員制のアートクラブ。現在の会員数は約800名ほどで、様々な職種の人が会員になっている。会員は、アートそのものに興味があるというよりも、アートを通して社会とのつながりを再構築したり、より良い社会を作るツールとしてのスタンスを持っている。年2回ある総会で、プロジェクトや展示について話し合っている。

Künstlerhaus Bethanien:

1974年、取り壊しの決まっている歴史のある病院を、政治団体が反対して建物を文化施設として利用したことから始まる。現代美術のためのインターナショナルなプロジェクトや、プレゼンテーションのためのプラットホームとしての運営がなされている。数年前に、すぐ近くに場所を移転した。

③Node:
キュレーターを養成するためのプライベートの学校。授業はすべて英語でおこなわれる。セオリーよりも実践的なことを学べるが、授業期間は3ヶ月間となっている。プログラムの後半には、クラスでひとつの展覧会をベルリンの若手を中心とした作家と共におこなう。

④n.b.k Artothek (Neuer Berliner Kunstverein):

図書館で本を借りるように、ベルリンの住民票があれば誰でもアート作品を借りることができる施設。20世紀から現代の作品まで約4000点ほどを所有している。なかには、有名なピカソやダリ、キリコといった作品もある(大御所の作品は主にプリントやドローイング作品)。アートをプライベートな場所に届けると同時に、作家(ベルリンを拠点にしている)の作品をコンスタントに買うことで、アーティストをサポートする目的を持っている。

⑤Mediations Biennale2012:
9月14日〜10月14日までポーランドでおこなわれていたビエンナーレ。今年で4回目となる。中央ヨーロッパでは最大の規模を誇り、西洋とアジアの仲介としての役割を持っている。異なる国のキュレーターによって作家を紹介している。今年は日本から、森美術館館長の南條史生氏が参加。

⑥ベルリン・ビエンナーレ:
今回で7回目となる展覧会。4月27日〜7月1日までおこなわれていた。「FORGET FEAR」がテーマ。このビエンナーレはいつも、ベルリンの街の歴史的背景から政治色の濃い内容だが、今年はそれが沸点に達したものとなっていた。
展覧会で出品されていた、ベルリン中心部の通りに壁を設置した作品、ナダ・ブルリャの《PEACE WALL》は、この地域にある格差問題を視覚化させ論争を巻き起こした。

⑦TRACK:
街中のアートプロジェクト。このなかで、公園内に隣接されている老人ホームや社交施設を2分の1に縮小したレプリカを木の上に設置した、ベンヤミン・ファードンクによる《フォージェレンザング・パーク17/2》を紹介。この作品は、ベルギーが抱えている住宅問題浮かび上がらせた。会期の半ばから、住宅事情の改善を支援する非営利団体「コミュニティ・ワーク・ゲント」が、郵便局の全面的な協力により、市民から住宅問題に関する質問を手紙で受け取る企画を実施し、ベンヤミンによる架空の家に届けられていた。

同じく、ベンヤミン・ファードンクによるパフォーマンスビデオも見せていただきました。

上記したプロジェクトのなかには、日本でも宝くじの収益金がアート活動(美術館とか)に使われているように、ロトによる助成を受けているものがあるそうです。

ベルリンのアート情報が聞けて大変充実した内容でした。



▲学生の質問に応じる かない氏


学生たちも質問したりと、興味津々だったと思います。


またベルリンの情報とは別に、レクチャーの最初に見せてくださった、かない氏が中学生のときに作成したノートには、驚きました。展覧会のチケットを貼り、ポストカードを買ってきてその作品について調べたことがまとめてありました。こうしたことが、今のかない氏につながっているのかもしれません。興味があることについて調べてまとめる・・・みなさんも、これからまねしてみてはいかがでしょうか。


それでは。





2012年11月6日火曜日

芸術表象論特講#12

こんにちは。 急にぐんと寒くなったので、研究室ではヒーターを倉庫から引っぱり出してきました。

10月31日におこなわれました、「芸術表象論特講」12回目のレクチャーについて、少しご報告したいと思います。

今回のゲストは、国立国際美術館館長の山梨俊夫氏でした。




山梨氏は以前、神奈川県立近代美術館の館長をされていました。2つの美術館の館長を歴任された立場から、「美術館で何が行われているか」、「運営の形」、「美術館に最近求められていること」、「美術領域での変化」、「問題点」という5つのトピックスに分けてお話ししてくださいました。

国立国際美術館は、1970年の日本万国博覧会のときに作られた万国美術館を活用して始まった美術館です。当時は立地の悪さからか、あまり人が来なかったそうですが、その後、2004年に現在の建物(中之島)へ移転したとのことです。出入口は地上にありますが、展示室は地下にあるというユニークな構造をしています。


それと、普通は聞くことの出来ないような“お金”にまつわる話もしてくださいました。営利を求めることは出来ないけれど、慈善事業ではないのでお金はかかる・・・。難しいところです。


▲北澤先生の質問に答える山梨氏


学芸員や美術館関係の仕事に就きたい学生には、かなり現実的な話かもしれませんが、大変貴重なお話で、勉強になったと思います。

国立国際美術館は大阪にありますので、ここからはちょっと遠いかもしれませんが、ちょうど、エル・グレコ展が開催されていますので、行ったことない方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。


それでは。

2012年10月26日金曜日

女子美祭、始まりました !!

こんにちは。空の青さがきれいで、空気が澄んでいて山がよく見えるとってもいい天気です。

今日から、女子美祭が始まりました!

芸術表象専攻では、各学年による展示がおこなわれています。


■1年生:「高橋由一の鮭を探せ!!」12号館1階1214教室

教科書で一度は見たことのある鮭の絵。現在、1年生は授業で明治の画家、高橋由一による《鮭》について学んでいます。そういうことも踏まえ、1年生たちは高橋由一が描いたとされる東京芸術大学所蔵の作品をはじめとした、いくつかの鮭を展示しました。そのなかで、東京芸術大学所蔵品・笠間日動美術館所蔵品・山形美術館寄託品の3作品を探すという展示をおこないました。

▲こんな感じで鮭が並んでいます

実はいくつかあるなかで、ひとつだけ本物の鮭が展示されています。



■2年生:1号館装飾 1号館階段
    授業内作品・個人制作 5号館1階513教室

2年生になると、1号館の吹き抜けになっている階段の装飾を担当します。今年はメルヘンぽく、ストーリーのあるものにしました。

▲1階階段には、かわいい羊がむかえてくれます。 

▲1〜2階付近の窓はこんな感じです。逆行で色がわかりませんが、カラフルに作られています。

▲外から見るとこんな感じです。


もうひとつは、授業でおこなったインスタレーションと個人制作です。

▲みんなの作品を持ち寄って。N助手が見てます。

このインスタレーションは「アイドル」について表象しているそうです。「芸術表象基礎演習Ⅱ」の授業内でおこなったものを、再展示しました。
同じ部屋には、個人の作品も展示してあります。


▲教室手前の小部屋にも展示してあります。



■3年生:ゼミ展示 1号館5階155教室
    有志展示 10号館3階1035A教室

3年生は、ブログでも掲載しました丸橋ゼミで制作した「机」を使った展示をおこなっています。



5人各々が、自分で作った「机」を用いてインスタレーションをおこなっています。

もうひとつは、有志3人と大学院生による「walk talk & radio cafe」。3つの企画が展示されています。

▲なかには、大きなパラソルがあります。

「20㎞向こうに:Aufklärung von kinder」は、渋谷109から半径20㎞の円周上を、数十回にわけて歩いて行く企画です。展示では、歩いた記録映像を公開しています。
芸術表象専攻3年生の3人による「AFラジオ」。「アート」について気軽に話す試みとして、ラジオというメディア媒体を用いて実験しています。展示スペースでは、誰でもラジオ収録できます。
大学院生が主催している「Review cafe」は、展覧会についての感想や情報をお茶を飲みながら気軽に交換し合う、そんなカフェです。

女子美祭は、今日から3日間おこなわれます。詳しく知りたい方は、ぜひ見に来てください。

明日から研究室では、12号館でカフェをします。お菓子とちょっとした飲み物をご用意してます。それと、アート人生相談とN助手によるアート占いも開催します。同時に高校生講座もおこなわれる予定です。


女子美祭2012

相模原キャンパス
[開催時間]10:00~18:00(展示は17:00まで)

交通機関等の詳細はサイトでご確認ください。

女子美術大学
http://www.joshibi.ac.jp/news/1032

女子美祭 (相模原キャンパス版)サイト
http://joshibisai12.girly.jp/top.html


それでは、お待ちしております。



2012年10月25日木曜日

芸術表象論特講#11

こんにちは。朝と夜が肌寒く感じるようになりました。それでも、まだ半袖を着ている今日この頃です。

10月17日におこなわれました「芸術表論特講」11回目のレクチャーについて、少しご報告したいと思います。

今回のゲストは、アーティストの三田村光土里氏でした。





三田村氏が作家活動をはじめたのは30歳頃。一般の短期大学を卒業した後、ファッションデザインを勉強し、趣味で写真を撮っていたそうです。その後、アーティストの人たちと接するなど、現代アートと向き合うようになり、好きなことをしようと思って制作をするようになったそうです。

作品は「人が足を踏み入れられるドラマ」をテーマに、鑑賞者がそのドラマを追体験できるような仕掛けを作るようにしているとのこと。
制作には時間をかけ、最低でも半年〜1年以上かけるそうです。アイデアがひらめいて、あれよあれよと作る・・・ということはしないで、その衝動を抑えながら、じっくり時間をかけるようです。

作品について、丁寧な解説をしていただきながら、三田村氏の活動について見て行きました。

それと、三田村氏の作品制作には、音楽がかなり重要になっているようでもありました。


三田村氏は、池田晶紀氏とアートユニットとしても活動しています。その名も「池田みどり」。この夏、NADiff Galleryにて「I Love You, I Hate You.―すきよ、きらいよ―」展が、池田みどりとして開催されました。この作品についての解説や、きっかけとなった映像も見せてもらいました。三田村氏による作品のストーリー解説が、大変面白かったです。


今後の活躍が楽しみになりました。


そんな三田村氏は、近々展覧会に参加されるそうです。

「虹の彼方 こことどこかをつなぐ、アーティストたちとの遊飛行」
会場:府中市美術館
会期:2012年11月23日(金・祝日)– 2013年2月24日(日)
*詳細は府中市美術館ホームページでご確認ください
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/index.html



ちなみに、今回のポスターはこんな感じでした。


「I Love You, I Hate You.―すきよ、きらいよ―」展のDMから


それでは。






2012年10月18日木曜日

授業紹介:丸橋ゼミの机作り

こんにちは。今回は、3年生の授業を紹介したいと思います。

芸術表象専攻では、3年生になると「芸術表象IDゼミ」を履修します。

この授業は、専任教員の2人以外の先生たちが開講するゼミに所属し、研究や表現を探求していきます。担当教員は6名おり、学生は1人2つのゼミに在籍します。

今回は、丸橋伴晃先生のゼミの様子を、少しお届けします。



丸橋ゼミは、後期からスタートしました。

このゼミでは、まず、1人ひとつの机を制作します。


▲説明をする丸橋先生と学生たち

▲みんなで協力し合って作業に取り組みます

▲最後の仕上げのため、外で作業

▲集中してます

▲完成しました!!(教室の中に運び込みました)

▲ちょっと移動させてみたり・・・

▲各々動いて、記念撮影のポーズを考え中


机は、10月11日に完成しました。制作から完成まで約4週間です。

これからこの机は、作品へと変わっていく予定です。

また、授業について紹介したいと思います。


それでは。


2012年10月9日火曜日

芸術表象論特講#9

こんにちは。日が短くなって、気がつくとあっというまに外が暗いので、夜が長くなってきました。

9月19日におこなわれました「芸術表象論特講」9回目のレクチャーについて、少しご報告したいと思います。

今回のゲストは、森美術館学芸員の近藤健一氏でした。





現在、森美術館では「アラブ・エクスプレス展:アラブ美術の今を知る」が開催されています。近藤氏は、この展覧会を館長の南條史生氏と共にキュレーションされました。

レクチャーでは、「アラブ」とは何か?ということを中心に、展覧会が出来るまでの課程や、展示作品についてお話してくださいました。

「アラブ」について聞かれると、意外と知らないことが多いのではないでしょうか。ひとつの定義として、「アラブ」とはアラブ人がいてアラビア語を話す人が住んでいる地域のことをいうらしいです。そもそも、「アラブ」という国は存在しないのですが、地域の分け方もかなり曖昧な部分があるようで・・・。聞けば聞くほど、私たちが、あまりにも勝手なイメージを抱きすぎていることに気づかされました。

しかし、「アラブ」に対するイメージが偏りがちであるため、展覧会で作品を見てもピンとこないのではないだろうか・・・。近藤氏は、日本でいうともしくはアジアでいうと何だろうと置き換えて見ると、ぐっと自分に近づいて見ることができるとおっしゃってました。

まだ見に行っていない方は、ぜひご覧になってみてください。一度見た方も、もう一度行くと、何か新しい発見があるかもしれません。「アラブ」世界の多様性を見ることが出来る展覧会だそうです。


「アラブ・エクスプレス展:アラブ美術の今を知る」
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
会期:2012年6月16日(土)–  10月28日(日)
時間:10:00  –  22:00(火曜のみ17:00)
*詳細は、森美術館ホームページで確認してください
http://www.mori.art.museum/contents/arab_express/index.html

それでは。

*今回のレクチャーは、gsgp女子美アートセンター準備室の協力で開催されました。

2012年9月11日火曜日

復旧しました

芸術表象のHPが見られるようになりました。

ご迷惑おかけしました。

これからも、よろしくお願い致します。

2012年9月10日月曜日

申し訳ありません

現在、芸術表象のHPが見れない状態になっております。

なるべく早く復旧いたしますので、ご了承下さい。

芸術表象専攻に御用の方は、メール等でご連絡下さい。


女子美術大学 芸術表象専攻
mail : catp@venus.joshibi.jp
tel    : 042-778-6111(代表)

2012年7月30日月曜日

芸術表象論特講#8

こんにちは。毎日、酷い暑さで体が悲鳴をあげそうです。

25日におこなわれました「芸術表象論特講」8回目のレクチャーについて、少しご報告したいと思います。

今回のゲストは、水戸芸術館学芸員の竹久侑氏でした。



竹久氏は今までのゲストの方々とは違い、「美術、美術館にまつわる根本的なこと」として、現場・地域でアートプロジェクトをすることを踏まえて竹久氏が日々考えていることを、聴講者に対して7つの質問というかたちで投げかけてくださいました。

その7つの質問とは・・・
1、あなたは美術館に何を求めて行きますか?
2、あなたは美術に何を求めていますか?
3、学芸員の役割とは何ですか?
4、いまの日本における美術をとりまく環境の問題とは?
5-1、「アートによる地域振興」という発想についてどう思うか?
5-2、地域での芸術祭やアートプロジェクトを通して、アートが社会に及ぼしうる影響とは?



▲学生の意見を聞く竹久氏


時間がなくて、7つまでいかなかったのですが、様々な意見が交わされました。そして、ちょっと、現場の生々しいお話も垣間見れたりもしました。

実は7つ目の最後の質問は「あなたと美術の出会いについておしえてください」というもので、この根本的な所を見直すことで、美術がなぜ必要かが見えてくるのではないかと、おっしゃっていました。

質問の1や2は改めて聞かれると、なんでかなぁと考えさせられます。
私たちは、いつのまにか美術ありきで来ているところがあるので、原点を思い出すのはいろんな意味で良いことかもしれません。


前期は竹久氏で終了いたしました。

次回は後期、9月頃を予定しています。
詳細が決定し次第、お知らせしたいと思います。

それでは、良い夏休みを。




2012年7月14日土曜日

芸術表象論特講#7

まだ梅雨明けしていないのに、すでに暑さに負けそうです。

11日におこなわれました「芸術表象論特講」7回目のレクチャーについて、少しご報告したいと思います。

今回のゲストは、人類学者の兼松芽永氏でした。






アート・プロジェクトを問題化する視座についてお話していただきました。  はじめに「大地の芸術祭」の概要について、そこから「リレーショナル・アート」などに触れながら、芸術祭に関わる人やモノ・出来事のつながりのあり方についてお話ししてくださいました。



▲ 学生の質問を聞く兼松氏


新潟県十日町市・津南町で2000年から3年に1度、開催されている「大地の芸術祭」を軸に、人類学という、別の角度からのアプローチは、私たちに考える幅を与えてくれたと思います。   



次回は、7月25日(水)5限、水戸芸術館現代美術センター学芸員の竹久侑氏を予定しております。

それでは。


2012年7月13日金曜日

新入生歓迎会

今年度がはじまってから、約3ヶ月ちょっと。

芸術表象専攻では、遅ればせながら「新入生歓迎会」を開催しました。

主催は2年生。3年生も手伝って、バーベキューをおこないました。


▲ 肉を焼く学生とN助手


▲ 全体はこんな感じでした


「芸術表象論特講」のゲストで来校された、兼松芽永氏やアーティストの三田村美土里氏ほか、非常勤の先生方や美術教育専攻の1年生、芸術表象専攻以外の学生も多数参加してくれました。

学生たちは、先輩後輩の交流をはじめ、先生方といろいろとお話ができたようで、充実した時間だったと思います。

15・16日にはオープンキャンパスが開催されます。
芸術表象専攻では、3年生による作品展示をおこなう予定です。
お時間ありましたら、ぜひお越し下さい。

それでは。