こんにちは。厚手のコートや上着だけでは、寒さをしのげない日々です。
11月21日におこなわれました「芸術表象論特講」15回目のレクチャーについて、少しご報告したいと思います。
今回のゲストは、イギリス在住の韓国人アーティストのユ・ウンジュ氏でした。
ウンジュ氏は、茨城県守谷市にある「ARCUS Project(Residency for Artists Experiments for Locals
Moriya, Ibaraki)」(以下、アーカスプロジェクト)の今年度のレジデンスプログラム招聘作家です。
アーカスプロジェクトは、茨城県が主催となり1994年から国際的に活動しているアーティストが滞在して制作する「アーティスト・イン・レジデンス」と、地域の人々が主体となっておこなう「ワークショッププログラム」の活動をおこなっています。
「アーティスト・イン・レジデンス」では、90日間の滞在制作とそのリサーチをサポートし、地元の人とも交流を重ねるそうです。今回、ウンジュ氏と共にアーカスプロジェクトのコーディネーターである石井瑞穂氏も来校されました。
▲石井氏と通訳の池田氏(ウンジュ氏は英語のため)
レクチャーでは、アーカスプロジェクトでの制作について、作品のプロセスを細かく話してくださいました。守谷市に在住している主婦のみなさんにワークショップとして参加してもらい、そこから出てきたものをウンジュ氏が映像作品にしてインスタレーションとして展示をおこなったそうです。
他に、過去の作品についても紹介してくださいました。
主にアニメーションの手法を用いた映像作品を作っていました。映像作品は、ウンジュ氏の個人的なものからではなく、ワークショップをおこない、そこから抽出されてきた参加者の個人的な部分(ストーリー)を使用しているようです。
もともと、韓国では彫刻を専攻されていたそうですが、典型的なアートではないものを学びたいという理由から、イギリスへ留学されました。そこでは、自分が考えたプロジェクトをずっとやっていくというプログラムで、理論面を学んだりするのではなく、自分がやりたいことをすることができたそうです。ここでの経験から、今ではプロジェクトの提案書がすんなり書けるようになったとのことです。
積極的に学生からの質問を受けており、学生たちも少しは将来について考えるきっかけになってくれたらいいなと思います。
授業後に話したりない学生が、ウンジュ氏に質問をしに行くなどしていました。
余談ではありますが、ウンジュ氏と石井氏は、女子美の学食で昼食をとられたり、女子美アートミュージアム(JAM)で開催されている展示を見学したりもしました。
ウンジュ氏は、近々イギリスへ帰国されるそうです。今後の作品も楽しみです。
アーカスプロジェクトの詳しい情報は、以下のホームページで確認してみてください。少し遠いですが、とても魅力的な場所です。
ARCUS Project(Residency for Artists Experiments for Locals Moriya, Ibaraki)
それでは。